地方創生DXスタートアップで資金調達1億円!公認会計士の強みを活かしマーケットリーダーへ導いた佐藤淳CEO

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待望の我が社のCEO佐藤淳さんにインタビュー!

佐藤さんは東大卒業後、公認会計士としてキャリアを築き、コンサルを経て2017年にStaywayを創業。

株式会社Staywayはオンライン旅行事業から始まり、20年に補助金DX事業を通して地域や企業を支援するFinTech×GovTechスタートアップにピボットしました。

我が社の主軸のサービス「補助金クラウド」は2020年に始まって以降、北陸銀行やメガバンクに導入され、今年4月には資金調達1億円を実施と順調な成長を見せています。

起業の経緯や、どのように補助金クラウド事業を思いついたのか、キャリアを遡って根掘り葉掘り聞かいただいた内容を存分に詰め込みました!

本記事は ・起業に興味がある方 ・公認会計士からのキャリアップを考えている方 ・地方創生に携わりたい方 ・純粋に佐藤CEOのこれまでが気になる方 ・Staywayに入社したい方

等々の人にぜひ読んでいただきたいです!

起業を見据え、公認会計士を志す

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編集部:

大学卒業後、有限責任監査法人トーマツに入所し、公認会計士の資格を取られたと伺いました。公認会計士を目指されたのはどうしてですか?

佐藤さん:

公認会計士になろうと決めたのは、いつか起業をしたいと思っていたからです。高校生の時から、いつか自分で事業を立ち上げ経営したいと決めており、大学2年生の時に、会計士になれば基礎的なビジネススキルを身につけ多くの企業を知ることができると思い、志すことにしました。

トーマツに入社して最初の3年はトータルサービス部に所属しました。そこではスタートアップのIPO支援、監査、内部統制の構築などに携わり、大手IT系上場起業の会計監査なども経験させて頂きました。

その後、海外に活動の場を広げたいと思い、海外勤務を希望し、シアトルに2年駐在しました。

ただ、5年目を迎えたころ、仕事を通じて自分が成長している実感を持てなくなってきたんですね。ルーティン業務が多くなり、面白さを感じられなくなったからです。

この時、元々は起業をするため、ある程度の経験を積んだら辞めるつもりだったこともあり、ビジネスのキャリアを築きたいと考え、退所を決めました。

起業の経緯

編集部:

5年間の中で、大手IT系上場企業の会計監査やシアトルの駐在などとても公認会計士として濃い経験をされたのち退所されたんですね。Staywayを起業されてからの経験について教えてください。

佐藤さん:

最初に手掛けたのはオンライン旅行事業です。ホテルや民泊などの宿泊施設の検索比較サービスを事業化しました。

オンライン旅行事業に目をつけたのは海外のトレンドが日本に来ることを予想したからです。海外では同様のサービスで大きな資金調達に成功した例があることを知り、日本でも成功するのではないかと考えました。

しかし、この事業は思うように拡大しませんでした。投資家から資金を調達できた=成功するビジネスという訳ではないということを学びました。さらに追い討ちをかけるように2020年、新型コロナのパンデミック到来。

お分かりのように家から一歩も出れないニューノーマルな生活を余儀なくされ、旅行関連のサービスは軒並みストップ。ビジネスモデルを1から考え直す必要に迫られました。

編集部:

事業が立ち行かなくなった中、新型コロナ自体の恐怖もありますし、先行きもわからずかなり不安だったように思います。

佐藤さん:

ビジネスの難しさを目の当たりにしましたね。これまでを振り返れば私は努力をすれば、結果はついてくるタイプでした。だから、起業もしっかり準備し、努力をすれば成功するはずだと高をくくってましたね...

補助金クラウド事業へ

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編集部:

そこからどのように現在の補助金クラウドのビジネスモデルを思いついたんですか?

佐藤さん:

きっかけは自社の運転資金を確保するために新型コロナ関連の補助金・助成金を申請し、数千万円を獲得したことです。

私は新たなビジネスモデルを構築するにあたり、①会計という自分のバックグラウンドを上手く活かせる事業を選ぶ②社会の課題を解決できる、社会貢献度の高いものであること③収益性の高いビジネスモデルをつくることの3つを頭に入れて探し始めていました。

新型コロナ関連の補助金に採択された時、周囲のスタートアップの方々に「どうやったの」と聞かれることが多々あり、補助金の獲得に苦戦している企業がたくさんあることに気がついたんです。

補助金を上手く活用できたのは自分が公認会計士だからであり、この知識と経験を活かして、補助金を活用できず困っている企業の人たちの課題を解決できないか、そう思いついたのです。

そして、「金融機関が顧客起業の補助金申請を支援するためのナレッジをクラウド型のサービスで提供する」というアイデアを思いつきました。

実現すれば、補助金・助成金申請に課題を抱えている企業だけでなく、金融機関側にとっても申請支援を効率化できます。中小企業は全国に350万社あるとも言われており、社会貢献度も大きい。これが今の「補助金クラウド」の始まりです。

ビジネスモデルからの実装化

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佐藤さん:

2020年7月頃から補助金クラウドの開発を始めました。

まずは、補助金クラウドのモデルを金融機関に説明し、「導入したい」と前向きに考えて下さった金融機関に要望を聞きながらサービスを具体化させていきました。具体的には、補助金・助成金関連の情報を網羅的に調べる機能や士業への相談窓口機能などのニーズが強いことがわかり、サービス設計に加えました。

実は補助金クラウドは最初は金融機関向けです。金融機関にサービス設計の際に話を聞き、北陸銀行様から「導入したい」と言って頂けたことから始まっています。その後、各地の金融機関への導入が進みました。

金融機関向けの補助金クラウドをサービスとして開発したのち、法人営業向け、中小企業向け、ファンド向け、士業向けとサービスのラインナップを拡大していきました。

起業してよかった思う瞬間

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編集部:

起業して良かったと思う瞬間はどんなときですか?

佐藤さん:

会社の規模が小さくても、アイデアがあればマーケットをリードできると確信した時です。Staywayは社員と業務委託全て含めても20名ほどのまだ小さなチーム。そんなチームのサービスがメガバンクにも導入されているなんて夢のある話じゃないですか。

今後の展望

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佐藤さん:

Staywayのミッションは「中小企業や地域のポテンシャルを開放する」こと。この想いは創業時のオンライン旅行事業から通じています。

現在、Staywayの主軸は補助金クラウドですが、今後ミッションの実現に向けて事業を拡大していく予定です。顧客企業や金融機関としっかり向き合い、ニーズにお応えしていく中で、新たに私たちStaywayだからこそできる事業の可能性があればどんどんサービスを拡大していきたいですし、上場も視野に入れています。

2023年の3月に本社を東京から大阪に移転しました。東京に加え、地域に拠点を拡大することで、顧客企業の皆様のニーズをより正確に理解し、サービス満足度に繋げていきます。

起業をしたい方へのアドバイス

編集部:

佐藤さんの起業の経験を振り返って、これから起業をしたいと考えている方に何かアドバイスがあれば教えてください。

佐藤:

起業家になりたければ、トレンドをつくる側になれとアドバイスしたいです。私は起業する前、準備として国内外のビジネストレンドをチェックしていました。

しかし、オンライン旅行事業から補助金DX事業へのピボットの経験を踏まえて、トレンドを追いかけても意味はないと断言できます。トレンドになっているということはすでに多くの人から注目されており、競合も多いということ。そして、流行は長続きしません。収益性が高く、継続する事業を手掛けたいなら、自分でニーズを見つけトレンドをつくる側を意識することが大切です。

編集後記

起業に対しする高校時代からの固い決意、起業を見据えた公認会計士の選択、そして実際に創業されている現在から、佐藤さんは常に自分のビジョンに基づいて行動し、貫く強さがあると感じました。

自分の専門性と社会貢献度、収益性から社会に求められるビジネスモデルを編み出した話はとても印象的で、起業だけでなく、個人レベルでどうしたら自分の適性を見つけられるのだろうかと悩んでいる方にも役に立つレッスンではないでしょうか。

さらなる補助金DX事業の拡大や新規事業への参入に向けた資金調達と大阪へ本社を移転したStaywayは会社の成長に向けたネクストステップを迎えており、今後に目が離せません!